胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍とは?
胃・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、強い痛みや吐き気などの症状を引き起こす病気です。 放置すると、出血や胃に穴が開くなどの合併症を引き起こす可能性があり、早期発見・治療が重要です。
症状
- 胃痛・腹痛: みぞおちから左脇腹にかけての痛み。
- 胸やけ・吐き気・嘔吐・呑酸・ 食欲不振を伴うこともあります。
- 吐血・黒色便(タール便): 潰瘍から出血すると、胃液と混ざって黒っぽくい色の血液を吐いたり、黒っぽいタールのような便が出ることがあります。
- 背中の痛み: 潰瘍が進行すると背中に痛みを感じることがあります。
原因
- ピロリ菌感染: 胃粘膜に炎症を起こし、潰瘍のリスクを高めます。
- 薬の服用:消炎鎮痛剤である非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)やステロイドなどの副作用で潰瘍が起こることがあります。
- その他: 暴飲暴食、アルコール、ストレス、喫煙なども原因となります。
検査・診断
胃カメラ:胃カメラでは、炎症の状態、潰瘍の進行度などを観察します。他に、胃がんと区別する必要がある場合は、潰瘍周辺の細胞を採集し病理検査でがん細胞が含まれないかなどを確認することがあります。
ピロリ菌検査:潰瘍の原因となりうるピロリ菌の有無を調べるため、血液検査や呼気検査などを行います。
その他:貧血の進行がないか、採血検査を行うことがあります。
当院の胃カメラについて
当院では、最新の内視鏡システムを導入し、苦痛の少ない胃カメラ検査を提供し、 患者様の不安を軽減できるよう努めています。 鎮静剤の使用も可能ですので、ご希望の方はご相談ください。
治療
- 内服薬: 胃酸の分泌を抑える薬として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)・ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)などを服用します。
- ピロリ菌の除菌治療: 潰瘍の症状が落ち着いたら飲み薬による除菌治療を行います。治療後、除菌できたかどうか、薬を飲み終えてから1ヶ月以降に呼気検査を行って調べます。一部の人は除菌が完了せずピロリ菌が残ってしまうことがあるため、その場合は2次除菌を行います。
- 原因薬剤の中止・変更:薬剤性の関与が疑われる場合は、必要に応じて薬剤の中止・変更を行います。
胃・十二指腸潰瘍は早期発見・早期治療が大切です
胃の痛みや不快感を感じたら、お気軽にご相談ください。